大切な故人の遺骨を自分の手で散骨したい。
このような考えをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
『散骨』という行為自体は法的にも認められており、決して違法なものではありません。しかしながら、注意しなければならない点やマナーがあります。
散骨を選ぶ方が多いというわけではありませんので、基本的にどうすればよいのか分からないという方も少なくはないでしょう。
今回はそんな『散骨』のやり方や注意点をご紹介させていただきます。
1・そもそも『散骨』とは?
『散骨』とは、故人の遺骨を粉末状に砕き、海などに散らしていく行為のことを言います。
故人の希望や、お墓の中ではなく自然に還るという願いを込めて散骨を行う方がいらっしゃいます。希望する場所で供養することができる唯一の方法です。
2・散骨のルールやマナー
それでは一体どのような注意点があるのでしょうか?
希望する場所だからといって、どのような場所でもいいわけではありません。基本的なマナーを守れるように1つずつ理解していきましょう。
①必ず粉末にすること
散骨する際には、必ず遺骨を粉末状にしなければなりません。
粉末状にせず散骨を行ってしまうと『違法行為』となってしまいます。事件との関与を疑われる可能性もありますので、必ず守るようにしましょう。
②生活に関わる場所での散骨はしない
散骨をする場所についてですが、公園や海水浴場、漁場など人の生活に関わる可能性のある場所や、接触する可能性のある場所には散骨をしないようにしましょう。
また散骨場所に墓標を作ることも控えましょう。
散骨できる場所・できない場所を簡単にまとめましたので参考にしてください。
【散骨が可能な場所】
・生活に影響のない海
・許可を得た山林
・自宅、所有している土地
【散骨できない場所】
・公園などの公共施設
・観光地
・国や自治体の所有物
・海水浴場の近く
・漁場や養殖場の近く
・湖や河川
③喪服で散骨しない
周囲の人への気配りとして喪服を着用した状態での散骨は控えましょう。
禁止されている行為ではありませんがマナーとして覚えておくことをおすすめします。
3・散骨の注意点
散骨にはいくつかの注意点も存在します。
一歩間違えてしまうと違法行為となってしまいかねないので、十分に注意する必要があります。
①山林への散骨は細心の注意を
基本的に山林への散骨は非常に難しいです。
日本の多くの山林は国・もしくは自治体や個人の所有地となっています。どこにも所有されていない山林を探す方が難しいでしょう。
当然、そのような山林への散骨を行う場合には所有者に許可を得たうえで散骨をしなければなりません。しかしながら、他人の遺骨を散骨することに了承してくれる方はほとんどいないでしょう。
どうしても山林へ散骨したい場合には、散骨場所の所有状況を念入りに確認するようにしましょう。
確認をとっておらず、後から発覚した場合には大きな問題となってしまいます。安易な気持ちで散骨してしまわないようにしましょう。
②散骨した遺骨を埋めると違法に
あくまで法的に問題ない行為は『散骨』です。
粉末状にした遺骨であったとしても埋めてしまったり、草木などで覆い隠してしまうと違法行為となります。これはどんな場所に埋めたとしても変わりません。例え自宅であったとしてもです。
③自宅散骨のリスク
自宅での散骨は可能ですが、もし自宅を売却する可能性があるなら控えた方が良いでしょう。
この大きな理由としては『事故物件と同等の扱い』となってしまうからです。当然、資産的価値も大幅に低下してしまう為、自宅の売却を視野に入れている方は控えた方が良いでしょう。
④散骨そのものが禁止されている地域がある
法的には問題のない散骨ですが、地域によっては禁止されている箇所も存在します。過去のトラブルが原因となり、このような措置をとっている地域も少なくはないのです。
自分の住んでいる地域が本当に散骨を行っても大丈夫なのか、もう一度調べてみましょう。
⑤必ず2mm以下の粉末状にする
マナーとして散骨する遺骨の大きさを2mm以下の粉上になるまで粉末化する必要があります。
もし近隣の方に骨と判断されてしまった場合にトラブルにならないよう、このようなマナーができあがっています。
知らない方が骨を見てしまうと良い気分にはなりません。十分に配慮を行うようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
散骨は違法行為ではありませんが、人骨を撒くわけですから配慮するべきマナーや注意点が多く存在します。
ちょっとしたことで違法行為と取られてしまうこともありますので、散骨を考えている人は今一度制度や仕組みを見つめ直す必要があるでしょう。
特に山林での散骨を考えている場合には、通常よりも気にしなければならない点が多いです。
大切な故人をしっかりと供養するためにも、決められたルールやマナーを確実に守って行うようにしましょう。
最後までご覧頂きありがとうございました。