終活について

遺言・相続

「終活」という言葉は聞いたことがあるけど、具体的に何をすればいいのかわからない人が多いのではないでしょうか。ただ単に死後のことを想定して持ち物や財産を整理しておくだけでなく、これまでの人生を見つめ直したうえで今後の人生をどのように過ごしたいのか考えていくことが今の終活です。

日本はいわゆる少子高齢化社会になり、子供や孫など周囲の人に迷惑をかけたくないという思いから人生を整理して最後の時を迎えようと終活する人が増えています。「きれいに人生を終えるための活動」を略して「終活」と言われています。今までを振りかえって総括し、最期の時を迎えるまでにさまざまな準備を行います。具体的には身辺整理や遺産相続の計画、葬儀や埋葬場所・方法などについてです。

そういった自分の死後のために行うという意味合いがある一方で『これまでの人生を振り返り、自分を見つめ直すことで最期を迎えるまでの今の時間を”自分らしく””より良く”生きるにはどうするのか』という最期までの生き方、セカンドステージを考えることも終活として重要視されています。

・残される家族の負担を軽くするために

終活を行う目的として『家族の負担になりたくない』という思いが多く聞かれます。家族の負担を減らすために行うべきことをまとめます。いずれにしても家族が手続きなどをスムーズに行いやすいようにまとめた情報を明記しておくこと、自分の希望を明らかにしておくことが大切です。今は終活のためにエンディングノートが販売されているので、そういったものを活用しながら情報をまとめておきましょう。『最期まで健やかな気持ちで清々しく生きる』ために、安心して最期をむえられるように自分が亡くなった時のことを想像して、出来る準備を行っていきましょう。

①身辺整理

故人の死後に残された家族が困ることとして『遺品整理』があります。最近ではお金を払って専門業者に整理してもらうよう依頼するケースもあります。遺族が片付けるにしてもその物の価値がわからず役立たない物を苦労しながら処分しなくてはならないため大変です。そうならないために生きているうちに『断捨離』を行なって物を減らし、残った物には処分方法など明記しておくと片付けの負担は軽減できるでしょう。

中でも重要なのが「デジタル終活」です。

故人のパソコンや携帯電話に保存されているデジタルデータ(アドレス帳、動画や写真、金銭の取引情報など)も生前に整理しておきましょう。今はシニア世代もパソコンや携帯電話を活用する時代になりました。自分の死後、家族に遺したデータがある場合はその所在を明らかにしておき、見られたくないデータなどは自分で処理しておくようにしましょう。

②財産整理や相続

死亡した際には様々な手続きが必要になります。その際に故人の情報として『加入していた保険』『通帳や印鑑の保管場所』『暗証番号やID、パスワードが不明』など重要なものが分からず苦労するケースが多いです。保険の申請や年金の資格喪失届け、クレジットカードの解約、諸々の名義変更など重要な書類申請の際に困ってしまいます。必死に家中を探し回らなければならない、なんて負担をかけないように重要な物の保管場所は明記しておきましょう。相続に関しては遺言書の作成も重要です。

③葬儀や埋葬方法

自分の葬儀や埋葬方法について希望がある場合には事前に伝えておいたり、明記しておくことが大切です。最近は墓守が必要な『家族墓』ではなく、『合同墓』や『自然葬』など永代供養を希望する人が増えているようです。葬儀にはある程度費用が掛かります。銀行預金が凍結されると葬儀代を工面するのに苦労することになるので、あらかじめ現金を準備しておくことも大切です。また、遺影については納得いくような写真を準備しておく人も増えています。

・エンディングノートに書いておくべき内容

エンディングノートは死後に様々な手続きなど家族の負担を軽減するのに役立ちます。家族が知っておく必要がある情報を事前に書き記しておくことが大切です。

内容としては以下の物が基本となります。

・個人情報 生年月日、マイナンバー(個人番号)、健康保険証、保険証券、年金手帳、パ スポートなど重要書類の保管場所について
・自分史 これまでの人生の要点、思い出、趣味や特技など
・相関関係と連絡先 親族以外の知人、友人、職場の関係者、恩人など葬儀の際に連絡を  取ってほしい人の連絡先
・資産 銀行口座関連の情報、クレジットカード情報、公共料金の自動引き落とし情報、証 券や金融資産、借入金やローンなど
・介護や医療 療養が必要になった際の希望する施設、後見人、延命処置の有無、代替栄  養、臓器提供などの方針について
・葬儀 信仰宗教、遺影写真、参列者リスト、形式や予算、希望する埋葬方法や墓地など
・遺言書 所在の有無、財産分与の内容、相続リストなど

まとめ

終活は悲しいものではありません。人生を最後まで充実した日々を過ごせるように行う、ポジティブな意味合いの活動です。残された家族のことだけでなく、セカンドライフを前向きに生きられるように自分自身を見つめなおしてみましょう。

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