一言で言うと永大供養墓とは故人の子や孫など子孫の墓守を必要としないお墓のことです。お墓を継ぐ必要がなく、誰かがお墓参りすることが出来なくても親族の代わりにそのお墓のある霊園の管理者や寺院の方がお墓の管理や故人の供養をしてくれることになっています。
一般的なお墓は親族がお盆やお彼岸の時期にお参りして掃除や草むしりなどお墓の状態をキレイに保ちつつ、供養するものとされています。お墓の維持管理費として年間管理料を霊園や寺院に支払う必要のある場合もあります。
それに対して永代供養墓は掃除などの基本的な管理はそのお墓のある場所の管理者が行い、お盆やお彼岸などの供養は合同供養祭として行われます。
4種類の永代供養墓について
①合祀となる永代供養墓(合葬・合祀墓)
一番永代供養墓として多いタイプのもので、特に個人墓などを設けずに合祀で供養塔などに供養されます。相場は10万〜30万円とされています。
②永代供養タイプの樹木葬
樹木葬とは墓石ではなく樹木を墓標とするものです。樹木葬の中でも永代供養を承るものがあります。一人一本の樹木を植えるものと一本の樹木に何人かの遺骨を納骨するものがあります。費用は個別の区画を設けるほど高くなり、およそ30万円~70万円とされています。
③永代供養タイプの納骨堂
ロッカー式になっている納骨堂があります。費用の相場は50万円~100万円とされ、都心に近い立地であるほど費用相場が値上がりします。
④個人墓つき永代供養墓
契約期間中は一般的なお墓に個人の墓を設けて供養を行い、期限が切れたら遺骨を合祀します。契約期間は霊園ごとに異なり、契約者の希望を採用してくれるところもありますが、目途として「弔い上げ」とされる33回忌を契約期間に設定することが多いようです。契約期間中は個人での供養になるため他の永代供養墓よりも費用が掛かり、およそ70万円~150万円が相場とされています。
永代供養墓のメリット
①子孫に負担をかけなくて済む
お墓を管理していくにあたり、年間の管理料やお盆お彼岸のお墓参りなど子供や孫に負担をかけてしまうことがあります。お墓の掃除は炎天下だったり、北風が吹く寒空の下だったり体力的な負担が大きく、今後の管理に頭を悩ませる人が少なくありません。永代供養墓であればこのような悩みが生じることもありません。
②比較的価格が安い
次世代が使えない・最終的には見知らぬ他人と合祀されるため費用が安く抑えられています。生前に契約費用を負担すれば次世代に金銭的な迷惑をかけずに済むのです。
こういった諸々の理由で永代供養墓にお墓を移す人が増えています。
永代供養墓のデメリット
①合祀されてしまうと最後。遺骨を取り出せない
永代供養墓では合祀された後に遺骨を取り出したいと思っても元に戻すことが出来ません。個人墓を設けた場合でも最終的には骨壺から遺骨を取り出して他人のものと一緒に合祀されることが多いです。納骨時に他の遺骨と混ざるので特定の遺骨を取り出すことが不可能になります。
②親族の理解が得られない場合がある
今でこそ供養の方法は多種多様になり、生前に自身のお墓について思いを巡らせる人が増えてきましたが、一般的なお墓に比べて永代供養墓は身寄りのない人を供養するためのものと認識している人が多いです。そのため、親族がいる場合に永代供養墓にたいして抵抗を感じられ、否定されてしまうことがあります。
③お墓参りの意味が変わり戸惑いが生まれる
生前の故人を知る人がお墓参りをしようと思っても合祀された後では他人の遺骨と混ざっている状態の為、故人に語り掛けることが難しく、お墓参りの実感が湧きにくいのが現実です。
永代供養墓に向いている人
①お墓の後継者がいない人
子供がいない場合や将来的に墓守をする人がいなくなることが想定される場合は、親族の代わりに墓地の管理者が供養をしてくれる永代供養墓を選びましょう。
②お墓の維持・管理を任せたい人
お盆やお彼岸など年に数回お墓の掃除をすることでお墓は綺麗な状態で保たれています。掃除をしない場合、すぐに雑草が生い茂り虫などが発生する要因になってしまいます。お墓が遠くてなかなかお参りが難しい場合やお墓の掃除をしたくない人は永代供養墓が向いています。
③先祖代々のお墓は必要ない人
家の仏壇で十分だと考えている人もなかにはいます。わざわざお墓を持つ必要はないけど、遺骨を納骨しなければならないのであれば永代供養墓がおすすめです。
永代供養墓が向いていない人
①先祖代々の繋がりが大事だと考えている人
ご先祖様との繋がりや継承を重んじている人には永代供養墓は向いていません。
②後継者がいる人
後継者がいる場合は事前にお互いの考えを打ち明け合うことが大切です。もしかしたら後継者は先祖代々のお墓を大切にしたいと考えているかもしれません。きちんと供養したいという気持ちがあるようでしたら永代供養墓はおすすめできません。
まとめ
永代供養墓では一般のお墓と何が違うのか、納骨方法や供養方法について理解してから検討するようにしてください。