遺言書の正しい書き方、とは。

遺言・相続

終活を行うにあたって、よく書き残されているものの中に『遺言書』があります。

そんな『遺言書』ですが、皆様は正しい書き方や、その効力についてきちんと理解できていますか?

遺言書には法的効力を持たすことができるほど重要な書物となっています。しかしながら正しい書き方を理解していないと、効力を失ってしまう恐れも。

今一度正しい書き方を学びながら、実際にどのような種類や効力があるのか再認識してみましょう。

1・そもそも『遺言書』とは?

簡単に『遺言』と言いますが、実は細分化すると7種類にも分かれます。


【普通方式遺言】

・自筆証書遺言
・公正証書遺言
・秘密証書遺言

【特別方式遺言】

・危急時遺言⇒一般臨終遺言・難船臨終遺言
・隔絶地遺言⇒一般隔絶地遺言・船舶隔絶地遺言

最も一般的なものは『普通方式遺言』となっており、その中でもほとんどが『自筆証書遺言』、『公正証書遺言』を利用しています。

それぞれについて簡単に説明します。

【普通方式遺言】

作成後、有効期限は定められていません。
常に最新の日付の物が適用されます。

①自筆証書遺言

『自筆証書遺言』では、遺言者が自らペンで書き残す遺言書のことを言います。

作成のタイミングは本人の自由となっており、自筆で作成、日付や氏名、捺印をすることで遺言書と認められるものとなります。

②公正証書遺言

『公正証書遺言』では、公証人を介して本文を執筆してもらう遺言書のことを言います。

手数料がかかってしまうものの、公証人を介して作成するので偽造などのリスクを防ぐことができます。また信用度の高い遺言書です。

③秘密証書遺言書

『秘密証書遺言書』では、遺言書が存在することを証明する書物となります。

これを作成することでパソコンなどで作成した文章でも遺言書であるということが証明されます。誰にも存在を知られることなく遺言書を作りたい場合に用いる方法となります。

【特別方式遺言】

作成後、半年間存命していた場合は効力がなくなってしまう特殊な遺言方式です。

①危急時遺言⇒一般臨終遺言

『一般臨終遺言』とは、病気などが原因で死の危機がある人が利用する遺言書です。

3人以上の証人を立てて遺言内容を口頭で述べ、代筆してもらうという作成方法となります。作成後20日以内に確定請求を行わなければならないという注意点があります。

②危急時遺言⇒難船臨終遺言

『難船臨終遺言』とは、航空事故や遭難などといった事故が原因により、死の危機がある人が利用する遺言書です。

2人以上の証人を立てて遺言内容を口頭で述べ、代筆してもらうという作成方法となります。また自身ではなく、他の人が同じく死の危機に直面している場合でも作成することができます。

③隔絶地遺言⇒一般隔絶地遺言

『一般隔絶地遺言』とは、病院で隔離されている場合、あるいは服役している場合に作成できる遺言書です。

警察官と証人の計2名を立てて、自らが執筆することで効力を得るものとなります。

④隔絶地遺言⇒船舶隔絶地遺言

『船舶隔絶地遺言』とは、船に乗っている場合に作成できる遺言書です。死の危機が訪れていなくとも、他との連絡が簡単に取れるわけではないので、このような作成方法が存在します。乗務員1名、証人が2名以上の立ち合い、または船長1名の立ち会いのもと作成することで効力を得るものとなります。

以上が各遺言書の説明となります。

2・遺言書で必ず記載するべき内容

今回は一般的な『自筆証書遺言』を元にご説明させて頂きます。必ず記入しなければならない内容についていくつか上げさせて頂きました。

①日付、署名、捺印

これらが抜けてしまうと効力を持たないものとされてしまいます。また、遺言書のみならず財産目録にも全てのページに捺印をする必要があります。

必ず捺印を忘れないようにしましょう。

②訂正印

遺言書を作成するにあたって、間違えて記入してしまうこともあるでしょう。この場合、訂正印を行うことで修正するのですが、訂正印がない場合、訂正後の文章は無効と判断されてしまいます。

忘れてしまう方もいらっしゃいますので、覚えておくようにしましょう。

③相続相手や財産管理を明確にする

遺言書に記載する内容として、土地であればどこの何坪を相続するのか、金銭であれば銀行名や口座番号など、細かな情報まで書き漏らすことなく記載しましょう。

『誰に、どこの、何を、どれだけ譲るのか』

この形式を忘れずに記載しなければトラブルの原因となりかねません。総資産ではなく、細かな管理を今一度見直してみましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

遺言書には多くの種類があり、それぞれの効力の期間や使用用途が異なります。

また日付や捺印、訂正印の有無で内容が大きく変化してしまうため、作成する際には十分な注意が必要です。

自分だけで判断するのが難しい場合には法務事務所などで一度確認してもらうのが良いでしょう。

大切な書物となりますので再確認の徹底を行うようにしましょう。

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